8年選手の立ち位置

今日リワークで、メンバーの人を泣かせてしまいました。 

泣かせてしまうというとおこがましい表現なのですが。 

復職をすごい焦ってらっしゃって、私の病気の経過を聞きたいとおっしゃってくださったのですが、話が、焦ってもいいことないかなと思ってます、みたいな方向に行ってしまって、その方はこっそり泣いてらっしゃいました。

 メンバーの方と話すようになって気づいたことは、私自身病気のことをなかなか受け入れられてはいないけど、病気になったばかりの頃よりかは、実はいろんなことを受け入れられるようになっていたことでした。 

私も、最初の2年くらいは、何で真面目にがんばってきただけなのに、こんな風にうまくいかなくなっちゃったの、などと嘆いたものでした。

 でも、そんな悲劇のヒロインみたいなことをずっと思っていたって、この世の中で生きてはいけないことに気づいて、あまりそういうことは考えなくなりました。 

その頃の私は今以上にうっとうしかっただろうに、見守って離れずにいてくれた友達には、本当に感謝しています。

 そんな友達がいたからこそ、悲劇のヒロインから抜け出せたんだろうなーと思います。 

お話した感じ、リワークのメンバーの方は、なにか理由があってうつになって、何ヶ月か一年かゆっくりされて、ちょっと元気になってきたから、さあ復職、ということで通われている方が多いように思います。 

私は病気8年選手なので、その中では異質の経歴な感じです。 

みなさん驚いて、私に何かの期待を持って、経過を聞いてこられます。

 メンバーの方のお話を聞いていると、自分が病気になって1、2年目に考えていたことと、同じことで悩んでらっしゃるんだな、と思います。

 今の私とメンバーの方の決定的な違いは、私は病気である自分がまさしく自分だと今は思うようになったのですが、みなさんは、病気じゃない自分が本来の自分だと思っているように思います。

 考え方の善し悪しは別として、そのみなさんの考えを尊重すると、私は反面教師でいるべきなのです。

ああはなりたくないよね、と思ってもらえれば楽なのです。 

もちろん躁うつとうつは違うから大丈夫、と思ってもらえたらそれにこしたことはありません。

再発率や、治療の効果の高さ、いろんなことが違います。

一生モノの病気になっていることも、そこで説明がつきます。 

しかし、経験する出来事やそれに付随する感情が似通っているために、すごい精度で共感できてしまうので、「あなたと私は違う」と思ってもらいにくいのです。

 私だって、病気になったばかりの時に近くに私みたいな経過の人がいたら、絶望的な気分になったと思います。 

結局再発を繰り返すのか、とか、もう普通には生きていけないのか、とか。

 私がいくら楽しい人生を送っているからといって、「普通に生きていけない」に重ねる感情はそれぞれの方ご自身のものなので、楽しいという点に説得力を持たせられません。 

焦っても病気が悪化したりぶり返したりするだけでいいことない、とか、うつの時は体の気が済むまでのんびりするしかない、とか、案外病気になった自分と病気になる前の自分って違わなくて、人が離れていったりしない、とか、つらいことを周りの人に訴えるより楽しいことを共有した方が、結果的には元気がもらえる、とか。

 うつを何度も繰り返して、乗り越え方を考えて、自分で納得してきたから、私はこういう考えで生きていけるのであって。 

苦しんで悩んでいる最中の人に、私なりの答えを伝えたところで、混乱させてさらに苦しめるだけなのです。 

今日の泣いていた方にとっては、復職に思っているより時間がかかる、という事実を受け入れることが、今苦しくて、大変なことなのです。

 だから私の病歴を話したところで、さらに苦しめるだけなのです。 

私もうつの時の、くるしいことやつらいことには未だに慣れないけど、うつの時に起こる身体症状や、感情の揺れに、いちいち驚かなくなりました。

そういう意味では病気に慣れたのかもしれない。

 みなさんはきっと、まだ驚いたり戸惑うことだらけで、そっから受け入れなくてはいけないから、きっと大変だろうと、昔の自分を思い出して、そう感じます。

 共感以上のものを求められても、何もできない。

でも、打開策が聞けるんじゃないかと、期待する気持ちもわかる。

 こっそり泣いているのには気づいていたけど、自分にできることが本当に何も思い浮かばなくて、気づいていないふりをしてしまいました。

同じような病気の友達 - 双極性OLのぼちぼちな毎日＠休職中