双極性OLのぼちぼちな毎日

なんくるなくなーい!双極性2型を患ったOLの、日々奮闘(?)記

世界3大うっとり

5年ぶりくらいに、カラオケボックスで楽器を弾いてきました。

結婚式で弾かなくてはいかなくなりまして。

小さい時から10数年、ヴィオラという楽器を弾いてました。

これです。

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ヴィオラ - Wikipedia

 ※ヴァイオリンより少し大きいです

※ヴァイオリンより少し音が低いです

※ヴァイオリンと同じ弾き方です

 

マイナー楽器で毎回説明が大変です。

 

それぞれの学校の部活でオーケストラに所属して、いろんなことがあって、弾かなくなる直前は、もう弾かなくていいことに安堵するくらい嫌気がさしていたのですが。

久しぶりに弾いてみると、とても楽しかったです。

そして、もっと弾けなくなってると思っていたのですが、案外弾けて、うれしかったです。長い間やっていると、体が覚えているものですね。

もちろん音は当たらないし、指は回らないし、楽器を十分に鳴らせないのですが、どうすれば改善されるかも、体が覚えていました。

そして、私の相棒(楽器)が、5年も一切かまわずひどい扱いをしていたのに、相変わらず太い音を鳴らしてくれて、なんだか幼馴染に久しぶりに会った気分で、うれしかったです。

調子に乗ってどっかのアマチュア団体でまた弾こうかとも思ったのですが、復職して生活が軌道に乗ってからにすることにします。

 

という育ち方をしたので、思春期はクラシック音楽ばっかり聴いていて、ぼちぼちクラシックオタクになってしまいました。

どの程度かというと、音楽の教科書に載っている作曲家の倍の数くらいの作曲家を、年代順に並べられて、それぞれの代表曲の名前が浮かび、メロディーを口ずさめて、その曲の好きな部分についてつい熱く語ってしまう、という感じです。

周りもクラシック好きな人が多かったので、自覚がなかったのですが、これってまあまあのオタクらしいです。がーん。変人扱いされます。いいんですけどね。

そんな中、職場でクラシックの話ができる人を発見しました。うちの部の、ちょっと偉い上司です。

 

その上司は、チェロをやっているそうです。

これです。

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チェロ - Wikipedia

説明は結構有名楽器なので、省いても大丈夫でしょう。たぶん。。

上司は背が高くて、細くて、肌が白くて、顔が薄くて、いつも白いシャツとハイウエストのスラックスを着ています。一般的にいかにもかっこいいとされる感じではないですが、クールで上品、薄幸で病弱そう(失礼)な雰囲気を漂わせています。

正直私の好みドストライクです。異動した時やっほーい!と思いました。むろん既婚者なので、目の保養に、会議中にちら見する程度に留めております。(会議にもちゃんと参加してたよ!)

話すとドSなのも、またすごくよいです。楽しかったなー、会議。

戦前のイケメン文豪にいそうだ、とずっと思っていて、実家に帰った時に必死で国語便覧をめくってみましたが、似た人はいませんでした。

 

そんな雰囲気をまとう文豪上司(としておきます)は、時々朝めっさ早く来て、イヤホンで音楽を聴きながら仕事を片付けていました。

その姿を見て私は、「文豪上司は、きっと古典(ハイドンとかモーツァルトとか)とか、フランスもの(フォーレとかサン=サーンスとか)みたいな、洗練された感じの音楽が好きなんだろうなー」と勝手に想像していました。

一方私は、ロシアとかチェコとか、洗練はされてないけれど、少々オーバーなくらいエモーショナルな曲が好みです。

ヨーロッパの中心のウィーンやフランスの音楽は洗練されていて、そこから離れれば離れるほどその土地の音楽が混ざり、”田舎っぽく”なる傾向が、クラシック音楽にはあります。

ところがどっこい、休職直前の飲み会で、文豪上司も、ねっとりじめじめした、しつこい音楽が好きだということが判明しました。

酒の力も手伝って意気投合した私達は、周りそっちのけで心揺さぶられるねっとりした音楽を交互に挙げては、「あー、それいいですよねー、◯楽章の中間あたりのホルン最高ですよねー」などと周りドン引きなやりとりをしていました。

 

しばらくして文豪上司が、「あやさん、僕が考える世界3大うっとりな音楽は何だと思いますか?」などと言い始めました。

なんですかなんですか、と聞くと、文豪上司は教えてくれました。

1.交響曲第2番第3楽章/S.ラフマニノフ

 

ラフマニノフ 交響曲第2番 第3楽章 - YouTube

ドラマや映画、CMでよく使われるので、結構有名な曲だと思います。

ぱっと浮かびませんが、ずっと前に、わたしたちの教科書というドラマで印象的に使われてました。

 視聴率悪かったしあんまり有名ではないですが、いいドラマでした。

超エモーショナルです。冒頭の弦のユニゾンもよいですが、クラリネットのソロがたまらんです。

交響曲としては全部で1時間くらいという大曲で、弾くのは非常にしんどいです。

ラフマニノフはロシアの作曲家なのですが、総じてエモーショナルな作風にあります。ピアノ協奏曲第2番の方が有名だと思います。のだめも弾いてたし。あれ、千秋が弾いてたんだっけ。


sm21525892 ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 作品18 辻井伸行 ...

 

2.歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲/P.マスカーニ

 

歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」より「間奏曲」(マスカーニ) - YouTube

これも、ドラマ、映画、CM、よく使われるので、聞き覚えのある曲じゃないかと思います。

カヴァレリア・ルスティカーナというのはなかなかにどろどろとしたオペラで、間奏曲は幕の間に流れる音楽なのですが、第二幕では、女をめぐり、戦場帰りの夫と浮気相手の男が、死闘を繰り広げます。

その前にこんな静謐ロマンティックな音楽を流すとは、皮肉というか、浄化されるというか。

マスカーニはイタリアの人です。イタリアはロッシーニに始まり、プッチーニヴェルディなど、オペラが盛んな土地です。

オペラ曲であることと、おそらくイタリアのラテン系な雰囲気が影響して、オーケストラ的なアレンジは粗いのですが、キャッチーなメロディーを持つ音楽が多いです。

マスカーニは、現代ではこの曲一発屋みたいな扱いですが、存命中はけっこう活躍されてたみたいです。 

 

3.弦楽六重奏曲op.4「浄められた夜」/A.シェーンベルク

 

シェーンベルク 弦楽六重奏曲 作品4 「浄められた夜」 - YouTube

うーん、これはですね、私の守備範囲外でして・・・

シェーンベルクという人は、主に20世紀初頭に活躍した人で、いわゆる「ドレミファソラシド」の枠を超えた作曲法を開発し、現代音楽と呼ばれているような新しい音楽をつくっちゃった人です。

私の守備範囲は、時代が新しくなると及ばなくなっていきます。

マーラードビュッシーとかからだんだんとあやしくなり、ストラヴィンスキーに至るとほとんど理解できなくなり、ショスタコーヴィッチになると頭が爆発しそうになります。

うねうねもやもや、メロディーがどの楽器かもわからなくて、なにがきれいなのかさっぱりわからなくなります。

この曲はシェーンベルク初期の作品で、まだ私の守備範囲内の曲の特徴を引き継いではいるのですが、それでもうねうねしていてよくわからんです。

 

というわけで、私は3曲目だけ納得がいかなかったのですが、その場で文豪上司に代わりの曲を提示できませんでした。

それから数日、世界三大うっとりについてずっと考えていました。

♪タイスの瞑想曲(歌劇「タイス」間奏曲)/J.マスネ

 

5.タイスの瞑想曲/マスネ(Meditation fromThais/Massenet) - YouTube

私のもろもろの練習曲です。便利です。

有名すぎて悔しい。ヴァイオリン曲だし。

 

夜想曲ノクターン)第2番/F.ショパン

 

フジ子・ヘミング~ノクターン第2番/ショパン - YouTube

フィギュアの真央ちゃんがよくショートプログラムの曲にしてましたね。

でもここにきてピアノ曲を入れるのは悔しい。

 

交響曲第5番第2楽章/P.チャイコフスキー

 

チャイコフスキー 交響曲第5番 第2楽章 スヴェトラーノフ - YouTube

私の交響曲ランキングトップ3に入る曲です。

しかし、うっとりっていうか、派手?

 

♪ピアノ協奏曲第2楽章/E.グリーグ

 

グリーグ/ピアノ協奏曲 イ短調 第2楽章/演奏:落合 浩美 - YouTube

泣ける。これ、弦楽器は消音器をつけて弾くので、音色がこもって幻想的な雰囲気になってます。

しかし、この曲、第一楽章の冒頭があまりにも有名すぎて、世界三大うっとりというにはかすむかな。。

 

Grieg Piano Concerto グリーグ ピアノ協奏曲 - YouTube

 

交響曲第9番「新世界より」第2楽章/A.ドヴォルザーク


ドヴォルザーク : 交響曲第9番 『新世界より』 第2楽章 - YouTube

 コールアングレという、繊細なめんどくさい木管の特殊楽器が、メロディーを担当していて、郷愁を漂わせています。家路という別名もありますよね。

でも、これ聞くと、うっとりっていうかキャンプファイヤー思い出しますよね。

 

遠き山に日は落ちて - YouTube

第4楽章もジョーズのテーマに似てて、有名です。私はジョーズのテーマはこれのオマージュだと、中2くらいまで真剣に思ってました。

ドヴォルザーク 交響曲第9番ホ短調《新世界より》 第4楽章 - YouTube

 

弦楽四重奏曲第2番第1楽章/A.ボロディン

ボロディン:弦楽四重奏曲 第2番 ニ長調 第1楽章 - YouTube

最近ではおーいお茶のCMで使われてますね。

 

三浦春馬 多部未華子 CM 伊藤園 おーいお茶 「香り、響きあう二人」篇 - YouTube

この曲との最初の出会いは、大学生のときで、すごくうまい先輩たちがこの曲を弾いていたのを聴いて、全身が震えました。感動しすぎて、すぐCD買いに行って、しばらくエンドレスリピートしてました。

聴くとまさしくうっとりします。現実を忘れて、夢を見ている気分になります。

これしかない!!

 

と、鼻息荒く、数日後に、文豪上司に提案してみました。

すると、「それもありかもしれませんね~。そういえばそんな話しましたね。」と軽くスルーされました。

あんなに熱く語り合ったのに!!

やっぱりドS。素敵。