ベランダが狭い
「本当にひとり立ちしたい人は、何かを育てるといいのよね。子供とかさ、鉢植えとかね。そうすると、自分の限界がわかるのよ。そこからが始まりなのよ。」
という、吉本ばななの、キッチンという小説の一節を、中学生の時に初めて読んでから、ずっと植物を育てたいと思っていました。
ひとり立ち願望がこんなに強いのに、15年経った今でも、いまいちひとり立ちできていません。
その間、具体的に何度か構想したのですが、やはり植物とはいえ、育てるということには、めんどくさいことやいろいろな責任がつきもので、なかなか踏ん切りがつきませんでした。
記憶喪失という現実離れした出来事は、長い間踏み出せなかった一歩進めるエネルギーには、十分すぎるものでした。
ひとり立ちしたい、などという長期的な思いというよりは、とりあえず混乱をまぎらわすために、私はこの春、手当たり次第に、他にもたくさんの趣味を始めました。その中の一つです。
植物たちはなかなか思い通りに育たないし、今のところ自分の限界など見えそうにもないですが、朝目覚めてすぐ、帰宅してすぐ、明るいうちに帰れない夜、気にかける存在があるというのは、それだけであたたかい気持ちになります。
葉っぱの様子を観察したり、肥料を熟慮したり、成長を願って一生懸命になっていると、今まで感じたことのない充足感が味わえます。
で、何を植えたのかと言いますと。
○ゴーヤ
私は夏になると、毎日ゴーヤチャンプルーが食べたくなるくらい、ゴーヤが好きです。
なので、数年前から流行っている緑のカーテン目当てではなくて、ゴーヤが食べたい一心で、植えました。
今のところ花がまだ咲いていないので、収穫はまだまだ先になりそうですが、ツルを順調に伸ばしています。
早く飽きるほどゴーヤが食べたい。。
同じく好物なのです。お弁当に入れたくて、植えました。
これは、失敗するかもしれません。
一番下は一応実がなってますが、もうちょい大きな品種なはずなのです。
花もきれいに咲かないし。
お弁当に入れるのは諦めようかなあ。。
でも背丈もすくすく伸びて、楽しませてくれてるので、実がならなくてもよいです。
今のところ一番手がかかってるので、なんとなく愛着があります。
○バジル
ミニトマトが甘くなるし、虫害を防げるという情報を見たので、脇に植えました。
こいつが一番すくすく育ち、一番役に立っております。植えたときの情熱は一番なかったのに。香りもすごいします。
バジルって今まで買わなかったのですが、便利ですね。
ガパオライスに入れたり、パスタソースにしたりしてます。
摘んでも摘んでも生えてきます。すごい。
こいつにトマトの栄養とられたから、育たんかったんかも。。
○ミント
育ちゆく植物たちを眺めながらビールを飲んでいると、「モヒートが飲みたい!」と突然思い立ち、次の日に苗を買いにいきました。
焼酎とかにつけとけば、殺虫剤も作れるらしくて、便利だなーと思って。
でも今のところ、ひょろひょろだし、香りも弱くて、あんまりそういったものに変化しそうにありません。
この前ハーブティーにしてみましたが、いまいちでした。
水あげすぎかなあ。
あと、アブラムシがめっちゃつきます。他のにはつかないのに。
私は子どもの頃、アブラムシで遊んでたくらいの田舎者なので、あまり抵抗がなく、指でぺっぺと弾くくらいで、あんまりろくに駆除をしていないのですが、みなさん苦労されてるみたいです。
アブラムシが二匹ほど浮いているハーブティーを飲んだ、とか言ったら、ドン引きされるかもしれません。
うーん、トマトはほぼ諦めているので、ミントにはもうちょっとがんばってほしいなあ。
この他に、シュガーパインという観葉植物を育てようか、迷い中です。
こんなにはまるとは。そのうち植物ブログになるかもしれません。