蓮根の話
最近、蓮根がとても好きです。
どれくらい好きかと言うと、午前中トイレに行くのも忘れるくらい一生懸命働いて、お昼休みに、お弁当に詰めてきたきんぴらを食べたとき。
口の中をしゃりしゃりさせると、疲れて濁った脳が洗われるようで、癒されます。
しかし、蓮根は、私を癒そうと思って、好きになってもらおうと思って、そんな食感になったわけでは、もちろんなくて。
ただそのままの蓮根に、私は癒されて、思いが一方通行でも、もちろんそれでいいのです。
先ほど、昔とても懇意だった人と話しました。
その人の物言いは、今も昔も変わらず、私を癒し、私を素直にさせます。
その人は、もちろん私を励まそうと思っていて優しい物言いをしてくれるところもあり、一方で、その人の気質が、優しい物言いを容易くしているところもあります。
うんと好きだったときは、その優しさが、全部私のことを大切に思ってくれている証であると思いたかった。
そんなはずはないのもわかっていたけど、そのことがどうしても受け入れられなかった。
なので、うんと好きだったけど、うんと努力して、少し遠ざかって、今くらいの付き合いになりました。
蓮根のことみたいに、好きな人のことも、何も求めなくても、ただそのままのその人のことを、すごく好きでいられたらいいのに。